一般皮膚科とは
主に皮膚科全般の保険内での診察・治療をいたします。皮膚にブツブツができた、赤く腫れている、肌に痒みがある、気づいたらいぼがあった、虫に刺された、日焼けで肌が痛いなど、皮膚や肌に異常を感じましたら、お気軽にご相談ください。 また爪、口腔内粘膜、外陰部や毛髪も皮膚の一部ですので、これらの疾患についてもお気軽にご相談ください。
皮膚は全身を映す鏡とも言われます。内臓疾患など体内における様々な異常を皮膚の症状として知らせる、サイン的な役割も備わっています。そのため、単なる湿疹やただれかと思っていたら、実は内科的な病気の症状の一つだったといったことも少なくありません。このようにかぶれやアレルギーといった原因以外でも、皮膚症状というのは多分に見られます。皮膚に異常が見られたら速やかに受診ください。
主な対象疾患
にきび
にきびは毛包脂腺系の慢性炎症性疾患です。皮脂の増加、毛包部の異常角化、アクネ菌の増加が原因です。脂腺の異常や皮膚の微生物叢の交代も最近は関与が示されています。
にきびのメカニズムですが、表皮細胞より放出されるインターフェロンγ、インターロイキン(IL-8, IL-12, IL-1), TNF, そしてマトリクスメタロプロテイネース(MMPs)がプロテアーゼ活性化受容体(PARs), 腫瘍壊死因子(TNFs)α,トール様受容体(TLRs)を通じて、毛穴のつまりが誘導され、にきびができると考えられています。
抗生剤外用薬により、アクネ菌を制御し、微生物叢の再編成を促すことで皮膚バリアを取り戻すようです。
にきびは思春期の疾患と思われていますが、お仕事でお顔の印象が重要な20代から50代の方でも悩む病気です。
洗顔の指導から最新の外用薬まで、当院ならではの一工夫入れた治療も行います。ぜひご相談下さい。
文献:J Eur Acad Dermatol Venereol. 2017 Sep;31 Suppl 5:8-12
水虫
水虫は世界中で一番有名な真菌感染症です。
水虫は足の病気だと思われがちですが、手足の爪、体の皮膚、頭皮など身体中のあらゆる場所に発症します。
症状としては、カサカサした皮膚をつける赤い斑点が特徴で、痒みは問いません。
真菌感染により引き起こされる細胞性免疫が病気の中心的な役割を担います。水虫の慢性化は、菌に対する即時反応が存在し、遅発性の過剰反応の欠如が引き起こすとされています。
水虫の診断は表皮を顕微鏡で観察し、直接に糸状菌を見つけることですが、時には真菌培養検査が必要となります。
治療は抗真菌薬の外用が一般的ですが、重症例では抗真菌薬の内服で治すこともあります。
参考文献:Indian Dermatol Online J. 2016 Mar-Apr;7(2):77-86.
イボ
イボと一言で言っても、人にうつるものと、うつらないものがあります。ウィルス性イボは自分の違う場所や家族にうつることがあります。
手足にできるウィルス性イボは子供、大人共に見られる共通の皮膚疾患です。DNAウィルスである、ヒトパピローマウィルス(HPV)が原因です。
ウィルスの感染は皮膚の擦過と表皮細胞における免疫の低下で起こります。
なかなか治りにくい病気ですが、当院ならではの工夫した治療を試してみて下さい。うつらないイボは液体窒素などで治療が可能な場合があります。ご相談ください。
文献:Clin Podiatr Med Surg. 2016 Jul;33(3):337-53
虫さされ
「虫さされ」は大変身近な皮膚病で、一般的には蚊やダニ、蜂、ノミ、ユスリカ、など虫に刺されたことによって、皮膚に注入された物質(毒成分や唾液腺物質)に対するアレルギー反応によって生じます。
症状は患部が腫れたり、痛みやかゆみがある局所的なものが大半で、場合によっては発疹が出たり、しこりになることもあります。
しかし、ごく稀にスズメバチなどに刺されるとアナフィラキシー様の全身症状が出ることもありますので注意が必要です。アナフィラキシーとは全身に蕁麻疹が出て、呼吸が苦しくなったり、血圧が低下して意識がはっきりしなくなる症状です。
また、虫さされが原因で、とびひ、痒疹になり長引くこともあります。
診断は診察により行います。
赤みやかゆみが強い場合は抗炎症作用の内服や抗生剤点滴が必要になる場合があります。診察してその判断はいたします。
アナフィラキシー様の症状と診断されたら、エピネフリンを投与し、大きな病院に救急搬送します。
虫刺されのアレルゲン免疫療法はまだ保険適応にはなっていません。
文献:Prim Care. 2016 Sep;43(3):417-31
ほくろ
ほくろは表皮と付属器由来の正常時から存在する細胞が異常に混在した腫瘍です。形態学的に分類され、近年でも新しい変種が発見されており、遺伝子検査がほくろの分類と、その成り立ちの理解に役立ちます。
まず拡大鏡で拝見し、ほくろのパターンかチェックします。治療は保険内で日帰り手術をするか、自費診療の電気メスで焼灼をするか選べます。
文献:Actas Dermosifiliogr. 2018 Oct;109(8):677-686.
日焼け
日焼けとは、紫外線を浴びることにより皮膚が炎症をおこしたり、皮膚の色が変化したりすることです。
日焼けの状態は2種類あり、日焼けで赤くなってしまうことを「サンバーン」といいます。これは太陽光のうちのUVB波によって起こります。赤くなるだけでなくヒリヒリとした痛みや水膨れになることもあり、いわゆる「やけど」と同じ状態です。応急処置としては冷やしたり、水分補給をしましょう。
もう一つは「サンタン」といい、紫外線、主にはUVA波を浴びてから3~8日後にメラニン色素が皮膚表面に沈着し、浅黒く変色します。メラニンは紫外線のダメージから身を守るために、色素細胞内で産生される褐色の物質です。治療としてはビタミンA,B,C が効果的です。
日焼けは、初期対処やアフターケアで、その後の症状が異なります。放置すると重度のやけどやシミ、シワの原因になるだけでなく、長時間日光を浴びすぎると皮膚がんになるリスクも高まります。必ず日焼け止めは使用しましょう。
日焼け止めは普段の外出ではSPF(Sun Protection Facto:UVBを防ぐ目安) 15-20程度で十分ですが、2-3時間ごとに塗りなおしましょう。また、UVAに対してはPA (Protection grade of UVA)で表し、++や+++が推奨されます。同様に2-3時間ごとに塗りなおしましょう。
当院では、外用薬や内服薬の治療提案だけでなく、日焼け後のケアなどのアドバイスもおこなっております。
手湿疹
手指が乾燥し、ガサガサして亀裂ができるような状態の湿疹を指します。家事をする女性に起きると主婦湿疹とも呼ばれます。
手が常に乾燥しており、痛みがあることから患者のQOL(Quality Of Life)が著しく低くなる疾患です。
治療は多岐にわたる原因、経過、予後によって難しく、治療も十分に確立されたものがありません。しかし、当院は十分な保湿と、炎症を抑える外用薬で治療し、改善が見られております。
また、アレルギーが関与していることもありますので、採血でわかるアレルギー検査をしてみるのも良いでしょう。
文献:Actas Dermosifiliogr. 2015 Sep;106(7):533-44
疥癬
介護施設などで集団感染を巻き起こすヒゼンダニの感染症。ヒゼンダニを退治すれば疥癬は治癒します。しかし、肌と肌の直接接触が主な感染経路であるため、集団生活や性行為などで感染は持続的に起こり、撲滅することは大変難しいです。
患者の寝具を使用したり、手を繋ぐ行為が一般的な感染経路ですが、疥癬の数の多い角化型疥癬ではヒゼンダニが患者の角層内に存在するため、直接接触のほか、患者と直接接触がなくとも、剥がれた角質が飛散、付着することにより、短時間の見舞客や、 リネンなどの間接的接触でも感染が成立することがあります。
感染後、1-2ヶ月の無症状の潜伏期間を経て、臨床症状が現れます。症状としては手のひらや脇の下、陰部などにかゆみのあるガサガサや結節(できもの)がみられます。痒みはヒゼンダニの虫体、糞、脱皮殻などに対するアレルギー反応と考えられています。
この病気の診断に世界統一の見解はありませんが、皮膚を一部剪刀(医療用ハサミ)で切り取り、顕微鏡で直接、虫体や卵を見つける方法が良いと思います。ダーモスコピー(拡大鏡)で疥癬トンネルを探すのも有用です。
卵は3−5日で孵化し、生活環は10−14日です。雌成虫は交尾後、皮膚にトンネルを掘って、1日2−4個の卵を4-6週間産み続けます。
したがって治療もその生活環を意識して行います。現在保険適応になっているものはスミスリンローションと言おう外用剤、ストロメクトールです。ストロメクトールは第一選択薬であり、体重によって内服量を調節する。接触のあった家族は患者と一緒に治療します。
ヒゼンダニは皮膚から離れると数時間で感染力が低下するため、こまめな清掃などが重要となります。また、50℃10分間で死滅します。
文献:疥癬診療ガイドライン第3版(日本皮膚科学会 2015)
手足多汗症
汗は体をクーリングするために必要ですが、必要以上に分泌され、生活上支障をきたすようですと多汗症になります。
皮膚科で扱う多汗症は局所多汗症であり、かつ、内臓の疾患のないもので、病名としては原発性局所多汗症になります。主な部位は手のひら、足の裏、わきで、その部位から両側に過剰な発汗を認めます。
少し古いデータですが、平成21年度の局所多汗症研究班がまとめた全国疫学調査では、原発性手掌多汗症の有病率は20人に1人(5.3%)とされており、さらに医療機関受診はそのうちの1割に満たないとされており、有病率も高いですし、治療できていらっしゃらない方も多いとされています。
下着やシャツに濡れるほどの両側の脇汗や、手のひら及び足の裏から睡眠中には見られない、したたる程の発汗が特徴です。
診察の流れですが、まず問診をしてそれが多汗症に当たるか判断します。そして採血にて甲状腺などのご病気が隠れていないか、採血をすることがございます。
治療ですが、第1選択薬としては保険外での塩化アルミニウム外用薬になります。手のひらや足の裏は手袋や靴下を用いて密封療法が好ましく、わきは単に塗るだけで効果があるといわれています。
第2選択薬としてはボツリヌストキシンの注射になります。神経と汗を作る細胞の間の神経伝達をブロックして発汗を抑える治療です。こちらも保険外ながら、その効果は認められております。
ボツリヌストキシンの注射は効果が2,3日後より認められ、4-9ヶ月持続しますので、大変便利な治療になります。
この他には内服をご希望の方に保険内でのコンバンサイン内服をご用意しております。
多汗症でお困りの方はぜひご相談ください。
参考:原発性局所多汗症診療ガイドライン2015年改訂版 (日本皮膚科学会 2015)
皮膚がん
2016年の統計によると、全部のがんにおける皮膚がんでの死亡率の割合は0.4%になります。稀な癌ではありますが、目に見える部分にできる癌であり、人々の関心が高いのも事実です。
皮膚がんは悪性黒色腫、有棘細胞がん(扁平上皮がん)、基底細胞がんなどが主な疾患名になります。基底細胞がんが最も頻度の高いがんになりますが、切除で取り切れればのちの治療は必要がないことが多いです。有棘細胞がんは転移することもあるため、切除後に抗がん剤治療を行うことがあります。悪性黒色腫は皮膚がんのわずか数%ですが、もっとも死亡率が高いです。しかし、近年、悪性黒色腫に対して免疫チェックポイント阻害薬が保険適応となり、その治療は改善されつつあります。
一概に黒いできものが皮膚がんではありません。私たち皮膚科医は拡大鏡を用いて色調のパターンを判読することにより、ほくろか皮膚がんかを概ね見分けることができます。皮膚がんと確定するには、できものの一部をメスで切除し、顕微鏡で見る検査(皮膚生検)が必要な場合があります。皮膚がんの種類によって治療方針が異なります。まずは診断からつける必要があります。
丁寧に説明いたしますので、悩まずに早めにご相談下さい
参考:国立がん研究センターがん情報サービスのHP
Prim Care. 2015 Dec;42(4):645-59.
粉瘤
粉瘤は皮膚科で最も多い皮膚のできものです。体のどこにでも生じ、一般的には皮膚のすぐ下にできる、触ると動き、 中心部に黒点を有す柔らかいできものです。部位で多いのは顔、頭皮、首、背中、外陰部です。時に化膿して痛みを伴います。
大きさは数mmから数cmが一般的です。
20-40代の方に多いようです。遺伝ではありません。
男性に比べ女性が2倍程できやすいという統計データがあります。
ニキビができやすい人に多く見られます。
内服治療、外用治療では効果が無く、放置するとそのままの大きさに留まるか、少しずつ大きくなります。大きくなるかどうか予見できるものは現在のところ発見されていません。時に細菌感染により、赤くなったり、腫れたり、痛みを伴うようになることがあります。
病理組織的には毛嚢漏斗部や毛包より生じるものが多いようで、毛穴の閉塞によって袋状の物質ができるようです。中心部の皮膚表面にはしばしば開口部や黒点があり、皮下の袋と繋がっているようです。
治療は日帰り手術になります。
局所麻酔を注射し、痛みをとったのちに皮膚表面を小さく切り、袋を取り出して、切った皮膚を縫って終了です。だいたいは10分から15分程度で終わります。
当院では傷あとの目立たない、くり抜き法という手術方法で治療を行っております。
袋を取り出さないと再発するため、できる限り切開(膿や内容物を排出する治療)ではなく、袋を切除する日帰り手術を行います。
上手く取り出せても再発率は1-8%というデータがあります。
文献:StatPearls [Internet]. Treasure Island (FL): StatPearls Publishing; 2018-.
2018 Oct 10.
帯状疱疹
帯状疱疹は皮膚の水疱や赤い斑点と、神経痛の病気です。
1週間前より皮疹はありませんが、痛みが生じ、その後に赤い斑点や水疱が出てくるのが一般的です。
水ぼうそうのウィルス(水痘帯状疱疹ウィルス)は小児期に一度感染すると、駆逐されることなく体内に持続潜伏します。大人になり免疫が落ちた時、水ぼうそうのウィルスが再活性化し、体の半分に帯を巻いたような分布で水疱、紅斑が出現します。
帯状疱疹のリスクは加齢(50-60代)と細胞性免疫の低下です。
抗ウィルス薬を内服し、痛みと皮疹の消退をゴールとします。
神経痛には鎮痛薬を使うことがあります。
痛みが長期的に残存する帯状疱疹後神経痛になる場合もあります。痛みのマネージメントも必要になります。
早めに受診し、早めの抗ウィルス薬の内服、鎮痛薬の開始が重要です。
60歳以上には予防接種が推奨されます。
文献:Clin Geriatr Med. 2016 Aug;32(3):539-53
ヘルペス
唇にできる水疱が一般的ですが、指先や陰部にもできることがあります。早めに治療すれば、あのチクチクとした煩わしい痛みも早めに治めることができます。ぜひご相談下さい。
口唇ヘルペス
口唇ヘルペスはヒトヘルペスウィルスの1型による感染症です。一度感染すると現在の医療では駆逐することがまだできません。日本人の成人の6−7割は感染していると言われています。主には親や家族から感染することが多いと思われます。
ヘルペスウィルスは初感染では症状が出にくい(潜在的な感染)ことが多いですが、初感染の時に症状が出ますと、ヘルペス性歯肉口内炎という、高熱を伴う歯肉の腫れ、強い痛みを伴う口内炎の症状を呈します。
いわゆるヘルペスとは、ヘルペスウィルス1型の再活性化に伴う口唇の水疱や口内炎を指し、ヘルペスウィルスの再活性化の原因は疲労、ストレス、紫外線をはじめ、多く存在します。口唇のみならず、鼻や目の周りに痛みを伴う水疱ができる場合があります。
ヘルペスウィルスは神経に潜んでいることが多く、再活性化した際には神経を刺激するため、チクチクやムズムズした感覚を感じます。
皮膚だけの症状なら治りやすいですが、中枢神経に感染することが極稀にあり、脳炎やリンパ球メインの髄膜炎を発症し、症状が強く出ることがあります。
治療は抗ウィルス薬の内服や外用があります。一度に内服と外用薬を処方することはできません。効き目が良いのは内服薬ですので、5日分しっかり内服してヘルペスを治しましょう。
参考:Virology. 2018 Sep;522:81-91.
梅毒
2011年以降、日本で増えている感染症です。Treponema Pallidumという病原菌が性行為で、もしくは妊娠中に母親から感染します。
ヘルペス同様、初めは潜伏感染(症状が出ない)であることが多いです。この潜伏感染の時期でも感染させる危険性はあるので注意しましょう。
感染の確認は簡単な採血検査ででき、治療はペニシリンの内服でできるにも関わらず、梅毒は地球上で再燃、蔓延している感染症です。
性病にかかってしまった際は必ず梅毒も一緒にチェックしましょう。
後天性の梅毒(主に性行為による梅毒感染)につき解説します。
症状は第1期から第4期に分かれます。
第1期は感染から3ヶ月くらいして生じます。性器周辺、口や肛門など、病原菌が侵入した部位にしこりができます。コリコリとした赤い隆起で、初期硬結と言います。時間が経過すると硬結は潰瘍化し、硬性下疳になります。特徴は、外見は激しく見えるにも関わらず、痛みのないことが特徴です。
第2期は感染3ヶ月から3年以内に起こります。手のひら、足のうら、胸腹部などにカサカサとした赤い皮疹が生じます。これをバラ疹と言います。
皮膚科で梅毒と診断するのはこの第2期が多いです。
他には皮膚の悪性リンパ腫のような大きな瘤を作ることがあります。皮膚生検してみると、形質細胞を中心とした細胞浸潤が見られ、梅毒を疑い、Treponema染色をして病原菌を見つけます。
第3期は感染3年から10年に生じると言われています。皮膚や筋肉にゴム腫と呼ばれる腫瘍が現れます。この時期まで梅毒と診断できないのは比較的稀です。
第4期は感染10年以降の症状です。中枢神経や大動脈に梅毒が感染し、髄膜炎、脳梗塞、神経症状、心不全が起こります。第4期は命に関わって来ます。
皮膚科では第2期の梅毒を治療することが多く、その治療はペニシリン系抗生剤を1ヶ月程度内服して治します。もちろん梅毒の抗体価をモニタリングしながらその治療効果を確認しつつ治療を行います。
文献:Nat Rev Dis Primers. 2017 Oct 12;3:17073.
尖圭コンジローマ
尖圭コンジローマは世界中で見られる、最も多い性感染症の一つです。
陰部やお尻に鶏のとさか状のできものが出現します。
ヒトパピローマウィルスの感染症であり、性行為によってうつってしまうことがあります。
治療は免疫調整作用のあるイミキモドクリームや液体窒素冷凍凝固術、そして保険外ではラジオ波メスによる切除を行います。適切な治療の選択は、尖圭コンジローマの数、大きさ、できている部位によって判断します。
治療による副作用は、色素沈着、かゆみ、痛み、皮膚の剥離、出血、肛門部の狭窄、便秘、感染症があります。
再発しやすいので定期的な受診をお勧めします。
概ね良好に治療できますが、外陰部や肛門周囲に発生することが多いこと、再発が多いことなど、患者にとってストレスのかかる病気です。お一人で悩まずにぜひご相談ください。
文献:Minerva Chir. 2018 Feb;73(1):100-106.
ひょう疽
手指や足趾の爪の横の皮膚の細菌感染です。痛みや発赤、腫脹を伴います。時に爪の横に黄色い膿が貯まることがあります。膿は自分で処理せず、滅菌された器具を使って処理することがポイントです。膿が見られましたらお早めに受診ください。
ひょう疽を放置していると、指や足趾のみならず、腕や足まで細菌感染が及び、蜂窩織炎、リンパ管炎が起こることがあります。さらに炎症が強い場合は指先や足趾に骨髄炎を起こすことがあります。
原因ですが、指先や足先のひょう疽は巻き爪(陥入爪)によって引き起こされることが多いです。巻き爪によって、周囲の皮膚に細かな傷ができ、その部分から黄色ブドウ球菌やレンサ球菌などの細菌が皮膚に入り込み、炎症を起こします。
したがって、巻き爪を処理しないとひょう疽を繰り返してしまいます。
検査として、原因菌の特定及び、抗生剤の感受性を調べるため細菌培養検査を行うことがあります。
治療は抗生剤の内服、外用で行います。もし抗生剤が上手く効かなければ、細菌培養検査を参考に抗生剤の変更をして治療します。巻き爪に関しては、テーピング法やコットン法などで保存的に治療します。外科的な爪の切除、フェノール法などは最終手段になります。
特に足の爪は歩行や立位時のバランス保持に重要とされています。爪の切除はこれらに影響を与えることがあります。まずは保存的治療で試し、それでも難しい場合は外科的な治療に踏み切ることがあります。
文献:Hautarzt. 2018 Sep;69(9):726-730.
汗管腫、はい粒腫
どちらも目の周りにできるプツプツです。
汗管腫
汗管腫は汗の腺からできる良性の腫瘍で、まぶたに複数見られることが多いです。
家族性のものが多く、女性に多いことより整容上に問題となります。
顔、特にまぶたにできることが多いですが、他にできる部位としては胸部、頸部にできるようです。
色調は白い丘疹であることが多いですが、茶色や常色であることもあります。
痒みを伴うこともあります。
治療は整容上問題となるため、自費診療のラジオ波メスで焼灼することが有用です。
参考:Ann Dermatol Venereol. 2016 Aug-Sep;143(8-9):521-8
はい粒腫
はい粒腫は日光の照射部位にできる透明もしくは黄色い丘疹もしくは局面です。主に顔、特に目の周り、口の周り、頬、そして頸部にできることが多いです。
内部にはゼラチン状物質を含んでおり、丘疹を皮膚生検すると、その病理は真皮乳頭層に好酸球が存在します。
治療は保険診療と自費診療の2つがあります。
保険診療としては、針で丘疹を刺し内容物を出す、はい粒腫摘除を行います。
自費診療では汗管腫同様に、ラジオ波メスで焼灼する方法があります。
文献:Pediatr Dermatol. 2016 May;33(3):e201-e203.
蜂窩織炎(ほうかしきえん)
蜂窩織とは真皮深層から皮下組織にかけての細菌感染であり、拡大する紅斑、熱感、疼痛、そして腫脹を特徴とします。急に発症し、強い痛み、高熱を呈することがあり、皮膚科救急疾患の一つです。
蜂窩織炎は世界中でよく見られる皮膚の病気であり、蜂窩織炎の治療をするため、アメリカ国内で年間延べ65万人が入院しています。
診断は問診や身体診察にてつくことが多いですが、時に痛風や動脈性疾患そして鬱滞性皮膚炎と見分けがつきにくいことがあります。
治療は早めの抗生剤投与が必要です。放置していると重症化し、紅斑の部位が潰瘍化したり、敗血症に至る事もあるため、注意が必要です。
その原因菌は溶血性連鎖球菌や黄色ブドウ球菌であることが多いです。時には多剤耐性の黄色ブドウ球菌をカバーするブロードな抗生剤が必要なこともあります。その場合には入院治療が必要です。
文献:JAMA. 2016 Jul 19;316(3):325-37.
掌蹠膿疱症
慢性皮膚疾患の代表的な病気です。慢性疾患故に患者さんの生活の質(QOL)を著しく損なうことがあります。
手のひらや足の裏に膿をもった丘疹やガサガサしたカサブタをつける紅斑が見られます。時には胸や肩周りの関節が痛くなることもあります。
治療に反応しない事もあり、難渋する事もあります。
治療はステロイドの外用、紫外線治療、ビタミンA誘導体の内服があり、一定の効果を示しますが、患者さんの中には治療効果が十分出ない方もいます。
近年、掌蹠膿疱症の治療薬として、インターロイキン17をターゲットにした抗体や、ホスホジエステラーゼ4阻害薬の生物学的製剤が注目されています。
文献:Am J Clin Dermatol. 2016 Aug;17(4):349-58
尋常性乾癬
乾癬は慢性的に免疫が不調になった状態の病気であり、皮膚および全身に症状が出ます。体、頭皮に硬いフケ(鱗屑)をつけた厚ぼったい赤い斑点が症状です。爪も黄色に変色したり、ガタガタになったりします。それ故に患者さんの生活の質(QOL)を著しく損なうことがあります。
乾癬は単一遺伝子の病気ではなく、多くの遺伝子の変化が病気を構成するようです。Nuclear factor-kB,インターフェロン、インターロイキン23-インターロイキン23受容体がその病気の原因に関与しているようですが、全ては明らかになってはいません。
皮膚病理組織の特徴は異常な表皮の増殖、表皮と真皮の免疫細胞の浸潤、そして表皮内の樹状細胞やT細胞などを巻き込んだ自然免疫、獲得免疫両方の変化が見られます。
リウマチ性疾患や心臓血管系疾患との関与も指摘されており、より複雑な病気の印象があります。強い関節痛を伴う乾癬、乾癬性関節炎という疾患もあります。
治療は外用治療、紫外線治療、ビタミンA誘導体や免疫抑制薬、さらには生物学的製剤があります。治療は上記をコンビネーションで治療するか、単一の療法で効果が出る方もいます。重症の方には生物学的製剤が標準になりつつあります。
当クリニックでは 、内服、外用、光線治療ができます。また、連携病院と提携し、生物学的製剤のご相談もできます。ぜひご来院下さい。
文献:Nat Rev Dis Primers. 2016 Nov 24;2:16082.
尋常性白斑
後天的に皮膚の色素を作る細胞がお休みをして皮膚が白くなる病気です。
色素脱失斑は整容上問題になるのと、患者さん本人がその存在に強いストレスを感じます。
全世界人口の0.5%が罹患していると言われています。
その原因には、遺伝子上の変化、自己免疫的機序、そして酸化ストレスが関与していると考えられています。
治療はヨーロッパのガイドラインでは3つの柱が薦められています。
一つ目は、自己免疫反応を外用または全身投与による免疫調節薬で治療する事です。具体的にはステロイドやカルシニューリン阻害薬の事です。
二つ目は色素を放出するメラノサイトにおける酸化ストレスを減らす作用のある、局所もしくは全身的な抗酸化剤です。
三つ目は皮膚の色素を放出するメラノサイトの再生を促すよう、紫外線治療や色素細胞の移植を行う事です。
患者はお化粧のカモフラージュを学ぶ事も重要とされています。
再発の抑制にカルシニューリン阻害薬が薦められています。
単一の治療よりコンビネーションの治療の方は治療成功率が高いです。
早めの治療介入が進行を食い止め、脱色素部分を安定化させ、色素の再生を促します。
治療が奏功すると、一気に色素が戻るのではなく、毛穴に一致して色素がパラパラ出てきて、それが互いに重なり、普通の色調に戻っていくことが多いです。
文献:J Dtsch Dermatol Ges. 2018 Nov;16(11):1309-1313.
その他よくみられる疾患
- 湿疹・かぶれ
- やけど
- 頭皮のかゆみ・フケ
- 毛孔性苔癬
- 酒さ
- 手荒れ
- 乾燥性湿疹
- 皮膚カンジダ症
- 円形脱毛症
- 薬疹
- 巻き爪 など
クリニック概要
五反田駅前ひふ科
TEL.03-5487-4112(よいひふ)
〒141-0031 東京都品川区西五反田2-7-8 誠實ビル3F(1F:ナチュラルローソン)
- 診療科目:
- 皮膚科、アレルギー科、小児皮膚科、美容皮膚科
(保険診療・各種保険取り扱い)
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- JR五反田駅西口より徒歩30秒、都営浅草線五反田駅A2出口 目の前
診療時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日祝 |
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10:00〜13:00 (受付は12:30まで) |
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オンライン資格確認実施機関
当院ではオンライン資格確認を行う体制を有し、医療情報・システム基盤整備体制充実加算の算定医療機関です。
マイナンバーカードの保険証の利用等を通じて診療情報を取得・活用することにより質の高い医療の提供に努めてまいります。
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